バリのドラッグストアに行った際、たくさんの可愛いイラストが描かれた謎の小袋が並んでいるのを見ました。
「コレ、なんだろう…」
わからないまま、大量買い!後々調べて、それが、インドネシアの民間薬「ジャムウ」の粉末パウダーであることを知りました。
今日はそんな「ジャムウ」と「ジャムウの粉末パウダー商品」についてご紹介したいと思います。
*TAIGA FARMA(ドラッグストア)で見た謎の小袋…所見では「なんだコレ?!」でした。
ジャムウについて知ろう
実は、この謎の粉について知るには、大前提として、インドネシアに根付く民間療法「ジャムウ」の事を理解する必要があります。
これは、インドネシアのジャワ島から始まった、古来から伝わるハーブを使った健康・美容法。
母から娘へという風に「家内で口承により伝わる」といった要素が強く、その科学的根拠だけでなく、残存する文献からジャムウの足跡をたどることはなかなか難しい…と言われています。
そのため長年「不思議なハーブ」とされていたジャムウですが、現在は、屋台や行商人、または薬局などで購入するバリ人も増え、観光客、その他の世界にもそれが広まっています。
ジャムウ販売は、バリ人にとって事業の1つにもなっているんですよね。
てなワケで粉末ジャムー商品なんですよ
さて、現在インドネシア(バリ島)では、そんなジャムーを手軽に取り入れることができる既製品が、たくさんあります。
以前ご紹介した風邪薬「トラックアンギン」や、謎の水「ランタンプニュガル」もそんなプロダクトの1つ。
いろんなブランド、いろんな種類
今日ご紹介する粉末ジャムウは薬局や、チェーン店のドラッグストアなどで売られています。
(ちなみに私はスミニャックのビンタンスーパーマーケットの近くにある「TAIGA MART(Med Mart)」で買いました。)
1袋あたり1,500~2,000ルピア(約13~17円)ですが、毎日飲むような類の物なので、安いか高いかはその人の価値観による…でしょうか。
さまざまな悩みに対応していて、たいていの場合、それを表すイラストがパッケージに描かれています。カラフルでちょっとカワイイ。
私が買ったのは「NJONJA MENEER」というブランド
私が手に入れた粉末ジャムウは、ジャムウ界のビッグネーム「NJONJA MENEER(ニョニャ・ムニール)」女史の名が冠されたブランド。
よくよく見ると、パッケージの全てに、この肖像画がプリントされていました。
*「ニョニャ・ムニール・ジャムゥ・カンパニー」は、1919に設立された会社ですが、その創業者の人生に関してご興味のある方は「インドネシアのアーユルヴェーダ ~楽園のトリートメント ジャムゥ~」という本が詳しいですよ。ジャムウに関してももちろん詳しく書かれています。
粉末ジャムウの種類についてまとめてみます
さて、そんな「NJONJA MENEER(ニョニャ・ムニール)」の粉末ジャムウですが、その種類はものすごく豊富です。(このブランドに限らず)
裏面に番号がふられ整理されているところを見ると、かなりの数ありそうですね。(写真に85という数字がみえるんですが、まさか85種類以上あるんでしょうか…?)
現在、私が調べた限り、わかっているものだけ掲載しておきます!
写真右は、このサイトでおなじみなアプリ「グーグル翻訳」の「リアルタイムカメラ翻訳機能」を使って訳された物です。
Galian Singset
女性に一番人気のジャムウ。
体を引き締めるスリミング効果が期待されるジャムウです。
お湯で溶かし、レモンや蜂蜜を入れて飲みます。(以下のジャムウも同じ)
Galian Delima Putih
こちらもまた、女性に人気。
体脂肪を減らすのに役立つジャムウ。
Awet Ayu
健康で若々しさを保つためのジャムウ。
月経が終了した後に、週3回ほど飲むようです。
翻訳によると「女性の臓器の過剰な粘液や匂いを軽減するのに役立つ」とのこと。ジャムウはこういった「下半身の悩み」に対応するものも多いです。以前からジャムウをご存知の方は「夜の薬」のイメージを強く持っている人も多いかもしれないですね。
Datang Bulan Tidak Cocok
女性の生理周期を正常に調えるためのジャムウ。不規則な人必見。
srikaton
出産した人のためのジャムウ。
出産後のお母さんの子宮を強化、おりものを防ぎ、血液の循環を調節。胃やウエストラインをスリムにします。
Sehat Darah
血液をきれいにするためのジャムウ。
血液の濁りが原因だと思われるニキビ、吹き出物、肌荒れを防ぎます。
Garal-gatal
湿疹、かゆみなどの肌の悩みに対応するジャムウ。
Pria Sehat
男性のためのジャムウ。
男性の健康を維持し、体をリフレッシュさせます。
ご注意!塗るタイプもありました
以上、粉末ジャムウと一緒に、スラーッと並べられていた以下プロダクト。
これらも、お湯に溶かして飲むんだろうな~…と思っていたら、中身がパウダーではなくタブレット…なんだか様子が違う…。
注意して調べてみると、これらは溶かしてペースト状にし、「肌に塗るもの」でした。
あぶなーい!!私、普通に飲むところだった!!
そうそう「ジャムウ」って内服するもの、と決まっているわけではなく、その周辺の「健康法」を意味するんですよね。当然、肌に塗るものもあるワケで。
緑色の袋「jebuk sari」は、肌をなめらかに健康にするもの、
シルバーの袋「Bedak dingin」は、制汗デオドラント。汗や匂いが気になる部分に塗ります。
同じくバリで購入した「Mustika Ratu(ムスティカラトゥ)」のローズウォーターで溶いて使ってみようかな、と思います♡
勇気を出して、飲んでみました
さて…説明だけではなんですので、実際に飲んでみたというレポートもお届けしたいと思います。
屋台や行商人から買って飲む勇気はありませんが、薬局で売っている既製品ならば…!
てなワケで、一番シンプルなタイプのジャムウを袋から取り出しました。
中にはさらに薬包があり、その中に粉末が入っています。
↓粉末は黄土色のパウダーです。ジャムウのことを「泥水のよう」と形容する人が多いですが、まさに。
ちなみに、どの種類のジャムウも、たいていこんな色でした。
これをぬるま湯に溶かし、味をごまかすためのレモン汁、蜂蜜を投入。
息を止めて一気飲みします!
味は、「この世で一番まずい飲み物」。
匂いはなんとなくバリっぽくて、帰国後ニオイだけ嗅ぐと、懐かしさがこみあげてきたりもするんですが、そんな感傷も吹っ飛ぶほどのマズさ。
良薬口に苦し…でしょうか。などど、死ぬほど使い古された感想で、この記事は終わるのです。
みなさんも、バリに行ったらばぜひ、薬局などで粉末ジャムーを買い求めてみて(笑)