インドネシア(バリ島)を旅していると、様々な場所で、結構衝撃的な蛍光緑色のスイーツを見かけます。
パンケーキみたいだったり、カップケーキだったり食パンだったり…
「なぜ緑?!」
と思わずにはいられないほど、日本人にとっては「美味しそうだと思えない」そのビジュアル…
今日ご紹介するクレープ「ダダールグルン」もその1つ。
というわけで今日は、「ダダールグルンってどんなスイーツなのか」、「どんな着色料を使っているのか」、「そしてそもそも何故色を付けているのか。」についてお届けしたいと思います。
ダダールグルンとは?
バリ島のスイーツとしてポピュラーな「ダダールグルン」。
オヤツとして親しまれているそうです。
ダダールは「卵、オムレツ、薄い生地」、グルンは「くるむ、つつむ」という意味。
「薄い生地」で、「椰子砂糖(パームシュガー)で味付けしたココナッツチップ」を「くるんで」います。
特徴的なのが、緑色の着色された生地。
これ、なにで色をつけているのかというと…?
実は、植物の色なんです
ダダールグルンをはじめとする、インドネシア バリスイーツの緑色は、人工的な着色料によるものではなく「パンダン」と呼ばれる植物によって付けられたもの!
バリでは(というか東南アジア全体だそう)古くからこのパンダンを使ってお菓子を着色する習慣があるそう。
ちなみに↓これが実際のパンダンです。
パンダンとは、タコノキ科の植物。
沖縄などの地域でよく見かける、パイナップルのような実をつけているアレです。
余談ですが、マレーシア料理として有名な「ナシレマッ」のご飯なんかも、このパンダンで風味づけするそうで、よく見るとご飯の色が妙に白い…中には完全に緑色のものもあったりするんですよ。
有用植物としてのパンダン
着色の理由ですが、1つにはやはり装飾の意味もあるようです。
考えてみれば、日本でもいまだに田舎の方に取材に行くと、「うっ」と驚くほど強烈に着色されたお菓子に出会う事があるなぁ…。
そして、おそらくもっとも大きな理由として、パンダンの有用植物としての役割が考えられると思います。
インドネシアには「ジャムー」と呼ばれる、古来からの健康・美容法が生活に浸透しています。
さまざまな栄養を含むパンダンを、お菓子やパンに入れることで、日々の健康に役立てているのではないか、という事なんです。